最昭59.02.24|石油カルテル事件

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談合

公共の利益に反すること

  • オイルショックの際に、石油元売り業者が石油製品を一斉値上げする合意をしたことが独占禁止法の「不当な取引制限」の禁止(3条)に抵触するとして起訴された。
  • 値上げの際に通産省から石油連盟に行政指導が行われていた。
    • 石油製品の販売価格の引き上げは全油種平均1キロリットルあたり860円を限度とするというもの

判旨|昭和59年2月24日

流動する事態に対する円滑・柔軟な行政の対応の必要性にかんがみると、石油業法に直接の根拠を持たない価格に関する行政指導であつても、これを必要とする事情がある場合に、これに対処するため社会通念上相当と認められる方法によつて行われ、「一般消費者の利益を確保するととも に、国民経済の民主的で健全な発達を促進する」という独禁法の究極の目的実質
的に抵触しないものである限り、これを違法とすべき理由はない。

価格に関する事業者間の合意が(①)独禁法に違反するようにみえる場合であっても、それが(②)に従い、これに協力して行われたものであるときは、その違法性が阻却される

[ 解説 ]

形式的、②適法な行政指導

[ 解説を隠す ]

独禁法の立法の趣旨・目的及びその改正の経過などに照らすと、「公共の利益に反して」とは、原則としては同法の直接の保護法益である自由競争経済秩序に反することを指すが、現に行われた行為が形式的に該当する場合であつても、法益当該行為によつて守られる利益とを比較衡量して、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進するという同法の究極の目的に実質的に反しないと認められる例外的な場合を規定にいう「不当な取引制限」行為から除外する趣旨と解すべきであり、正当といえる。

ポイント

  • 通産省行政指導が違法とはされなかった
    • 通産省の指導は価格引き上げ限度についての指導であって、カルテルを結ぶことではなかった。
  • 石油業者価格に関する合意の違法性は阻却されなかった
    • 独禁法に抵触し有罪が確定した。

独禁法 第1条

この法律は、私的独占不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。

独占禁止法

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