法の下の平等

平等自由平等は相反する側面を有している。

個人の自由な活動と資本主義の進展の結果、貧富の格差が拡大したことで生まれた社会的・経済的弱者に対し、より厚い保護を与え、他の国民と同程度の自由と生存を保障するという観念が要請された。

これにより平等の理念は、形式的平等から実質的平等1)現実の差異に着目し、格差是正を行うことによる「結果の均等」を意味する。)へと推移していった。

憲法14条

  1. すべて国民は、( )に平等であって、( )により、( )において、差別されない。
  2. 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
  3. 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の( )に限り、その効力を有する。

《詳細》

  1. すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
  2. 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
  3. 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

《詳細を隠す》

立法趣旨

いわゆる「( )2)5つの人権の一つである平等権についての規定

《詳細》

法の下の平等3)5つの人権の一つである平等権

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S484040 尊属殺事件

憲法14条1項は事柄の性質にい即応した( )に基づくものでない限り、差別的な扱いを禁止する趣旨である。尊属殺規定は、尊属に対する尊重報恩という道義を保護する( )は合理的であるが、刑の加重の程度が極端であって、立法目的達成の( )、その差別は( )なものとして違憲となる。

《詳細》

憲法14条1項は事柄の性質にい即応した合理的な根拠に基づくものでない限り、差別的な扱いを禁止する趣旨である。尊属殺規定は、尊属に対する尊重報恩という道義を保護する立法目的は合理的であるが、刑の加重の程度が極端であって、立法目的達成の手段として均衡を失し、その差別は著しく不合理なものとして違憲となる。

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S510414 衆議院定数不均衡訴訟

  1. 投票の価値の平等は、憲法( )条および( )条により保護される。
  2. 投票の価値の不平等が一般的に合理性を有するとは考えられない程度に達し、かつ、憲法上要求される( )に是正が行われていない場合には、( )が違憲となる。
  3. 選挙自体を( )とすることによって生じる不当な結果を回避するため、( )により( )にとどめる。

《詳細》

  1. 投票の価値の平等は、憲法14条および15条により保護される。
  2. 投票の価値の不平等が一般的に合理性を有するとは考えられない程度に達し、かつ、憲法上要求される合理的期間内に是正が行われていない場合には、定数配分規定全体が違憲となる。
  3. 選挙自体を無効とすることによって生じる不当な結果を回避するため、事情判決の法理(行政事件訴訟法31条1項)により違法宣言にとどめる。

《詳細を隠す》

憲法15条

  1. 公務員を( )し、及びこれを( )することは、( )である。
  2. すべて公務員は、( )であつて、( )ではない。
  3. 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
  4. すべて選挙における( )は、これを侵してはならない。選挙人は、その( )に関し( )責任を問はれない。

《詳細》

  1. 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である[1]
  2. すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
  3. 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
  4. すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

《詳細を隠す》

立法趣旨

憲法15条1・2項は、( )の下における、全ての公務員地位と制度の基本理念である。

《詳細》

憲法15条1・2項は、国民主権の原理の下における、全ての公務員の地位と制度の基本理念である。

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行政事件訴訟法第31条(特別の事情による請求の棄却)

  1. 取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを( )により( )を生ずる場合において、( )の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが( )と認めるときは、裁判所は、請求を( )ことができる。この場合には、当該( )において、処分又は裁決( )しなければならない。
  2. 裁判所は、相当と認めるときは、( )に、( )をもつて、処分又は裁決( )することができる。
  3. 終局判決に事実及び理由を記載するには、前項の判決を引用することができる。

《詳細》

  1. 取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決違法であることを宣言しなければならない。
  2. 裁判所は、相当と認めるときは、終局判決前に、判決をもつて、処分又は裁決違法であることを宣言することができる。
  3. 終局判決に事実及び理由を記載するには、前項の判決を引用することができる。

《詳細を隠す》

H160114 参議院定数不均衡訴訟

本件定数配分規定は、憲法が選挙制度の具体的な仕組みの決定につき国会にゆだねた( )を超えるものではないことから、( )

《詳細》

本件定数配分規定は、憲法が選挙制度の具体的な仕組みの決定につき国会にゆだねた立法裁量権の限界を超えるものではないことから、投票の価値の平等に反しない

《詳細を隠す》

H250904 婚外子の相続差別規定の違憲無効

  1. 民法900条4号ただし書前段の規定は、( )平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していた。
  2. 本決定の違憲判断は、平成13年7月当時から本決定までの間に開始された他の相続につき、民法900条4号ただし書前段の規定を前提としてされた遺産分割審判等の裁判、遺産分割協議その他の合意等により( )

《詳細》

  1. 民法900条4号ただし書前段の規定は、遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していた。
  2. 本決定の違憲判断は、平成13年7月当時から本決定までの間に開始された他の相続につき、民法900条4号ただし書前段の規定を前提としてされた遺産分割審判等の裁判、遺産分割協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼさない

《詳細を隠す》

H070705 非嫡子津市相続分差別

非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする民法900条4号但し書きの規定の立法理由については、法律婚の尊重と、非嫡出子の保護の調整を図ったものとして合理的根拠がある。本件規定は、合理的理由のない差別を設けるものとは言えず、14条1項に反しない。

民法第900条(法定相続分)

( )が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

  1. 及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
  2. 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
  3. 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
  4. 直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

《詳細》

同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

  1. 及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
  2. 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
  3. 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
  4. 直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

《詳細を隠す》

H200604 国籍確認請求事件

  1. 国籍法3条1項が、日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子につき、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した場合に限り日本国籍の取得を認めていることにより( )は、憲法14条1項に違反する。
  2. 日本国民である父と日本国民でない母との間に( )子は、( )国籍法3条1項所定の国籍取得の要件が満たされるときは、日本国籍を取得する。

《詳細》

  1. 国籍法3条1項が、日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子につき、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した場合に限り日本国籍の取得を認めていることにより国籍の取得に関する区別を生じさせていることは、憲法14条1項に違反する。
  2. 日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子は、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得したという部分を除いた国籍法3条1項所定の国籍取得の要件が満たされるときは、日本国籍を取得する。

《詳細を隠す》

国籍法3条

<改正前>( 準正による国籍の取得)
  1. 父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で二十歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。
  2. 前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。
<改正後>( 認知された子の国籍の取得)
  1. 父又は母が認知した子で二十歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。
  2. 前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

H071205 女性の再婚期間

民法733条の趣旨は、( )を回避し、父子関係をめぐる( )ことにある。

《詳細》

民法733条の趣旨は、父性の推定の重複を回避し、父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにある。

《詳細を隠す》

第733条(再婚禁止期間)

  1. 女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
  2. 女が前婚の解消又は取消の前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。

立法趣旨

女子の再婚禁止期間を定めた規定で、子の父が誰か不明になるのを防ぐことが目的。戦後の民法改正においても、明治民法の規定がそのまま受け継がれたが、日本国憲法第24条の両性の本質的平等に抵触するという指摘がある。

憲法24条

  1. 婚姻は、( )に基いて成立し、夫婦が( )を有することを基本として、( )により、維持されなければならない。
  2. 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、( )( )に立脚して、制定されなければならない。

《詳細》

  1. 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない
  2. 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

《詳細を隠す》

立法趣旨

旧来の家制度を否定し、家族関係形成の自由・男女平等の理念を家族モデルに取り入れることを目的としている(家長制モデルから平等主義モデルへ)。

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References   [ + ]

1. 現実の差異に着目し、格差是正を行うことによる「結果の均等」を意味する。
2, 3. 5つの人権の一つである平等権




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