④調和と信義則

信頼も、一方的では、矛盾生む

租税処分と信義則(最判昭62.10.30)

信義則の法理の適用による課税処分の違法を考え得るのは、納税者間の( )が存する場合でなければならない。

《詳細》

平等公平という要請を犠牲にしてもなお当該課税処分に係る課税を免れしめて納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情

特別の事情かどうかの判断は、税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示し、納税者がその表示を信頼し行動したところ表示に反する課税処分が行われ、納税者が不利益を受けたか、納税者に帰責性がないかの考慮が不可欠である。

《詳細を隠す》

事例の詳細

《詳細》

青色申告の申請をせず、承認を受けないまま青色申告をし、翌年以降、青色申告用紙が送付されていたところ、後にそれら申告を白色として更正処分があった。

・・・法律による行政の原理なかんずく(その中でもとりわけ)租税法律主義の原則貫かれるべき租税法律関係においては、信義則の法理の適用については慎重でなければならず・・・

納税申告は、納税者が納税申告書を提出することによつて完了する行為であり、申告書の受理及び申告税額の収納は、申告内容を是認することを何ら意味するものではない

青色申告でもって、青色申告の承認申請をしたものと解しうるものでないことはいうまでもなく、青色申告の承認があるかどうかの確認を怠り翌年分以降青色申告の用紙を当該納税者に送付したことで青色申告書が承認されたと受け取りうべきものでないことも明らかである。

更正処分が公的見解の表示に反する処分であるということはできないのであり、信義則の法理の適用を考える余地はないといわなければならない。

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国税通則法

第24条 (更正)

《詳細》

税務署長は、納税申告書の提出があつた場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたとき、その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する。

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所得税法

第1条 (趣旨)

《詳細》

この法律は、所得税について、納税義務者、課税所得の範囲、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続、源泉徴収に関する事項並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。

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民法

第1条(基本原則)

  1. 私権は、公共の福祉適合しなければならない。
  2. ( )
  3. 権利の濫用は、これを許さない

《詳細》

2. 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

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公務員の退職願の撤回(最判昭34.6.26)

公務員の退職願の撤回は、免職辞令の交付があるまでは、原則として自由であるが、辞令交付前においても、これを撤回すること( )は、撤回は許されないと解すべきである。

・・・右撤回は有効と認むべきである。

《詳細》

信義に反すると認められるような特段の事情がある場合

言い換えの比較

  • 信義に反すると認められるような特段の事情がある場合には、撤回は許されない
  • 信義に反すると認められるような特段の事情がある場合除き、撤回はできる

《詳細を隠す》

事例詳細 

《詳細》

退職願の撤回が免職辞令の交付前になされた場合において、退職願の提出が提出者本人の都合に基き進んでなされたものではなく55歳以上の者に勇退を求めるという任免権者の都合に基く勧告に応じてなされたものであり、撤回の動機も55歳以上の者で残存者があることを聞き及んだことによるもので、あながちとがめ得ない性質のものであるという事情。

撤回の意思表示聞知1)ぶんち – 聞き知ること。聞き及んでいること。後遅怠なく退職願の提出後一週間足らずの間になされ、すでに退職承認の内部的決定がなされていたとはいえ、本人が退職の提出前に事情を知つていたとは認められないのみならず、任免権者が、本人の自由意思を尊重する建前から撤回の意思表示につき考慮し善処したとすれば、爾後2)じご – ある事があってからのち。そののち。の任免権者側の不都合は十分避け得べき状況にあつたと認められるような事情がある場合には、退職願を撤回することが信義に反すると認むべき特段の事情があるものとは解されないから、撤回は有効と認むべきである。

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教育委員会法(昭和23年法律170号)

52条の3(教育長の職務)

《詳細》

  1. 教育長は、教育委員会の指揮監督を受け、教育委員会の処理するすべての教育事務をつかさどる。
  2. 教育長は、教育委員会の行うすべての教育事務につき、助言し、推薦することができる。
  3. 教育長は、教育委員会の事務局の事務を総括し、及びその職員を指揮監督する。
  4. 教育長は、自己の身分取扱についての議事が行われる場合を除く外、教育委員会のすべての会議に出席しなければならない。この場合、教育長は、議事について発言することができるが、選挙及び議決に加わることができない。
  5. 教育長は、その事務執行に関し、及び教育委員会の所轄地域の教育に関し、必要な報告及び資料を教育委員会に提出しなければならない。

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地方教育行政の組織及び運営に関する法律

17条(事務局)

《詳細》

  1. 教育委員会の権限に属する事務を処理させるため、教育委員会に事務局を置く。
  2. 教育委員会の事務局の内部組織は、教育委員会規則で定める。

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References   [ + ]

1. ぶんち – 聞き知ること。聞き及んでいること。
2. じご – ある事があってからのち。そののち。




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