金融緩和

きんゆう‐かんわ〔‐クワンワ〕

  1. 金融市場で資金の供給が需要を上回り、資金調達が容易になった状態。⇔金融逼迫(ひっぱく)。
  2. 中央銀行が景気を刺激するためにとる政策。短期金利の誘導目標(政策金利)を引き下げ市中への資金供給量を増やす。これにより中長期金利も低下し、企業や家計への融資が拡大したり、株価・為替相場などが変動したりすることによって、経済の活性化が促される。⇔金融引き締め。
  • 短期名目金利が0パーセント近くまで低下し、政策金利の引き下げによる金融緩和が困難な場合には、量的緩和信用緩和などの非伝統的金融政策が導入されることがある。
  • 米国において:
    FRBによるQE1(2008年11月~2010年3月)、QE2(2010年8月~2011年6月)など
  • 市中銀行は、日銀に置いてある当座預金残高の額に比例して融資を行うことができる。そこでこの当座預金の残高を増やすことで、市中のマネーサプライを増やそうとする政策である。
  • 日本銀行が公開市場操作で銀行等の金融機関から国債や手形を買うことで資金を供給し、市中に出回る資金の量が増えて、金利が低下し、金融緩和となる
  • 公開市場操作での債券の売買に応じるかどうかは民間金融機関の自由であり、金融機関から申し込まれた金額が、入札予定額に達しない札割れと呼ばれる現象も起きている。資金供給オペレーションでの札割れは、十分な資金が金融機関に供給されていることを意味する。日銀当座預金は利子がつかないため、金融機関が余った資金を市場での運用や融資に振り向けるので、年0.15%に誘導されていた無担保コール翌日物の金利が0%近くまで低下し、事実上のゼロ金利政策ともなっている。銀行に大量に資金を供給することで金融不安を抑制したとも言われる。
  • 日銀は生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率が安定的に0%以上になるまで続けることを約束した。このことにより、消費者物価が0%以上になるまでゼロ金利政策・量的緩和政策が継続されると予想されるので、より長い期間の金利も低下し、金融緩和の効果を高めるとされており、時間軸効果と呼ばれる。日銀当座預金残高の目標は5兆円程度とされていたが、2001年8月から8回にわたり、段階的に引き上げられ、2004年1月以降は30兆から35兆円程度となっている。
このエントリーを Google ブックマーク に追加
LinkedIn にシェア




シェアする

フォローする