最平18.10.26|入札排除による損害賠償

判示事項

村の発注する公共工事の指名競争入札に長年指名を受けて継続的に参加していた建設業者を特定年度以降全く指名せず入札に参加させなかった村の措置につき上記業者が村外業者に当たることを理由に違法とはいえないとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨

村の発注する公共工事の指名競争入札に昭和60年ころから平成10年度まで指名を受けて継続的に参加し工事を受注してきていた建設業者に対し,村が,村外業者に当たること等を理由に,同12年度以降全く指名せず入札に参加させない措置を採った場合において,

  1. 村内業者で対応できる工事の指名競争入札では村内業者のみを指名するという実際の運用基準は村の要綱等に明定されておらず村内業者であるか否かの客観的で具体的な判定基準も明らかにされていなかったこと,
  2. 上記業者は,平成6年に代表者らが同村から県内の他の町へ転居した後も,登記簿上の本店所在地を同村内とし,同所に代表者の母である監査役が居住し,上記業者の看板を掲げるなどしており,平成10年度までは指名を受け,受注した工事において施工上の支障を生じさせたこともうかがわれないことなど判示の事情の下では,

指名についての上記運用及び上記業者が村外業者に当たるという判断が合理的であるとし,そのことのみを理由として,村の上記措置が違法であるとはいえないとした原審の判断には違法がある

  • 平成17(受)2087
  • 事件名     損害賠償請求事件
  • 裁判年月日   平成18年10月26日
  • 法廷名     最高裁判所第一小法廷
  • 裁判種別    判決
  • 結果      その他
  • 判例集等巻・号・頁 集民 第221号627頁
  • 原審裁判所名  高松高等裁判所
  • 原審事件番号  平成16(ネ)277
  • 原審裁判年月日 平成17年08月05日
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