最昭58.10.27|処分の包摂関係と審判対象

【行政上の不服申立て】行政処分の包摂関係と審判の対象 最判昭和58年10月27日

【論点】重加算税賦課決定過少申告加算税賦課決定との関係。

【判旨】両者はいずれも過少申告した納税者に対する行政上の制裁であるが、重加算税は、過少申告加算税の賦課要件に加え、納税者が税金計算の基礎となる事実を仮装・隠蔽する等不正手段を用いた場合に課せられる。

ゆえに両者は無関係な別個独立の処分ではなく、重加算税の賦課は、過少申告加算税として賦課されるべき一定の税額に加重額を加えた額を賦課する処分であり、右過少申告加算税の賦課に相当する部分をその中に含んでいる。


重加算税賦課決定に対する審査請求においては、過少申告加算税の賦課要件の存否も当然に審査対象となる。

【解説】本判決は、最高裁として両者の関係について同一処分説に立つことを初めて明らかにしたもの。

~~~~~~

ほう‐せつ〔ハウ‐〕【包摂】
[名](スル)

  1. 一定の範囲の中につつみ込むこと。「知識はその中に―されている」〈倉田・愛と認識との出発〉
  2. 論理学で、ある概念が、より一般的な概念につつみこまれること。

    特殊が普遍に従属する関係。

    例えば、動物という概念は生物という概念に包摂される

このエントリーを Google ブックマーク に追加
LinkedIn にシェア




シェアする

フォローする