●用語




きん‐じ【近時】

近ごろ。このごろ。最近。副詞的にも用いる。「―の世相」「―巷(ちまた)で流行している」

反射的利益

法律が公益を保護している結果として生ずる間接的な利益のこと。
例1:医師法の診療義務による、診療を拒まれないという利益。
例2:関税法の関税による、国内生産者の利益。

はつ‐げん【発現】

[名](スル)現れ出ること。また、現し出すこと。「個性が―した絵画」「薬効を―する」

ア‐プリオリ【(ラテン)a priori】

[名・形動]《より先なるものから、の意》中世スコラ哲学では、因果系列の原因あるいは原理から始める認識方法をいい、カント以後の近代認識論では、経験に依存せず、それに先立っていることをさす。⇔アポステリオリ。

ア‐ポステリオリ【(ラテン)a posteriori】

[名・形動]《より後なるものから、の意》中世スコラ哲学では、因果系列の結果あるいは帰結から原因や原理へ向かう認識方法をいい、近代認識論では、経験に基づくことをさす。⇔アプリオリ。

き‐けつ【帰結】[名](スル)

  1. 最終的にある結論・結果に落ち着くこと。また、その結論・結果。「議論百出したが、結局同じところに―した」
  2.  《 consequence 》哲学で、ある事柄を原因または理由として、そこから結果として出てくる事態。また、仮定もしくは前提から推論によって導き出される結論。⇔理由。

ガバナンス【governance】

統治。日本では、多くコーポレートガバナンス(企業統治)の意味で使われる。

じゅう‐りん〔ジウ‐〕【×蹂×躙/×蹂×躪】[名](スル)

ふみにじること。暴力・強権などをもって他を侵害すること。「弱小国の領土を―する」「人権―」

ぐ‐しん【具申】[名](スル)

詳しく申し述べること。特に、上役や上位の機関に対して意見や事情を詳しく述べること。「改革案を―する」

順送り(人事)

たらい回し ・ 順当

メルクマール【(ドイツ)Merkmal】

指標。目印。

り‐いん【吏員】
公共団体の職員。公吏。

ふ‐ち【付置/附置】[名](スル)

あるものに付属させて設置すること。「大学に病院を―する」

配置分合(地方公共団体の区域の変更-地6,7条)

  • 合体:A市とB市が合体→C市(新設合併)を作る
  • 編入:A市がB市吸収→A市(吸収合併)を作る
  • 分割:A市が消滅して、その地域にB市とC市ができる
  • 分立:A市の一部がB市となり、A市は面積が小さくなってそのまま残る

てき‐ぎ【適宜】[名・形動]

  1. 状況によく合っていること。また、そのさま。適当。「―な(の)処理」「成績不振者に―個人指導をする」
  2. 便宜に従うこと。その時々に応じて、各自の判断で行動するさま。「―に席に着く」「見学後―解散とする」

じ‐い〔‐ヰ〕【示威】[名](スル)《「しい」とも》

威力や気勢を他に示すこと。デモンストレーション。「―行為」「―行進」

がいかんゆうち‐ざい【外患誘致罪】

外国に働きかけて日本国に武力行使させたり、武力行使されると知ってそれに協力したりする罪。刑法第81条が禁じ、死刑に処せられる。

たん‐しょ【端緒】《慣用読みで「たんちょ」とも》

物事の始まり。いとぐち。手がかり。「―を開く」

じゅん‐そく【準則】

規則にのっとること。また、よりどころとすべき規則。「―を定める」

かじ‐きとう〔カヂキタウ〕【加持祈×祷】
一般に、病気・災難などをはらうために行う祈祷、または、その儀式。印を結び、真言を唱え、いくつかの象徴的器具を用いて行う。

へい‐ゆ【平癒】[名](スル)

病気が治ること。「長い闘病生活を経て―した」

ごま【護摩】《(梵)homaの音写。焚焼(ふんしょう)・火祭りの意》

密教で、不動明王や愛染(あいぜん)明王などの前に壇を築き、火炉(かろ)を設けてヌルデの木などを燃やして、煩悩(ぼんのう)を焼却し、併せて息災・降伏(ごうぶく)などを祈願する修法。

か‐じ〔‐ヂ〕【加持】[名](スル)《(梵)adhihnaの訳。所持・護念とも訳す》仏語。

  1. 仏の加護。
  2. 密教で、仏の慈悲の力が衆生に加わり、衆生がそれを信心によって受持し、仏と衆生とが相応すること。
  3. 真言行者が、手に印を結び、口に真言を唱え、心を仏の境地におき、仏と一体になること。三密加持。
  4. 神仏の加護を受けて、災いをはらうこと。祈祷(きとう)と同意に用いる。

よう‐かい【溶解】[名](スル)

溶けること。また、溶かすこと。特に、気体・液体・固体が他の液体あるいは固体と混合して均一な状態となる現象。ふつうは、各種物質が液体に溶けて溶液となることをいう。「食塩は水に―する」

インセンティブ【incentive】

  1. やる気を起こさせるような刺激。
  2. 値引き。奨励金。「―セール」
  3. 成果を上げた社員や販売店に通常の給料や手数料以外に特別に支給する報奨金。物や旅行のこともある。販売奨励金。

き・する【帰する】[動サ変][文]き・す[サ変]

  1. あるところに落ち着く。最後にはそうなる。「すべての努力が水泡に―・した」
  2. 罪・責任などを他の人や物のせいにする。なすりつける。負わせる。「責任を部下に―・する」
  3. 従う。「悪をしりぞけて善に―・するなり」〈愚管抄・一〉
  4. 信仰するようになる。帰依(きえ)する。「法相大乗の宗を―・す」〈平家・七〉

けい‐けん【敬×虔】[形動][文][ナリ]

うやまいつつしむ気持ちの深いさま。特に、神仏を深くうやまい仕えるさま。「―な祈り」「―の念が深い」

けい‐ふ【系譜】

  1. 先祖から子孫に至る一族代々のつながり。師弟関係などのつながり。また、それを書き表した図や記録。系図。
  2. 同じような要素・性質を受け継いでいる事物のつながり

プラザ合意(ぷらざごうい)

1985年9月にニューヨーク・プラザホテルで行われた先進5か国財務相・中央銀行総裁会議(G5。86年以降G7)において、当時のドル高を是正するため、為替(かわせ)市場に協調介入する旨の声明を出した。これをプラザ合意という。これによってドル相場は一挙に下落し、所期の目的は達成された。この合意は為替相場をまったく自由に変動させる自由変動相場制から、為替市場の状況により適宜介入する管理相場制への歴史的な転換点となった。

しんら‐ばんしょう【森羅万象】

宇宙に存在する一切のもの。あらゆる事物・現象。しんらまんぞう

マイナス金利【まいなすきんり】

一般に資金の貸借取引においてマイナス金利は成立しない。マイナス金利のもとでは市場での資金供給が消滅するからであり、名目金利の下限は通常ゼロである。しかしながら、このような原則に反するマイナス金利が2003年以降、無担保コール市場などで観察されている。その背景にあるのが為替スワップ市場での円転コストのマイナス化である。同市場では主に邦銀が短期ドル資金を調達して、多くの場合外国銀行がその相手方となる。外国銀行はドル資金を一定期間貸し出し、担保としての円を手にするが、ここでの円の調達金利が外国銀行の円転コストであり、それがマイナスになることがあった。円という担保を差し出してもなお、邦銀がドル調達に際しプレミアムを要求されているという現象は、邦銀・外国銀行間の信用格差にもとづく一種のジャパンプレミアムと考えられる。その大きさは円とドルの短期資金をめぐる需給を反映して決まる。無担保コール市場でのマイナス金利は、スワップ取引から派生したものであることが多い。スワップ市場で円資金を調達した外国銀行は、マイナス金利で市場に供給しても、その運用利回りが調達金利を上回れば利鞘を獲得することができた。もっとも外銀がこれをゼロ金利の日銀当座預金として保有すると、より大きな利鞘を得ることができたはずである。それにもかかわらずマイナス金利の運用が選択されたのは、外銀では、民間銀行だけでなく、金利と等しくなるが、理論値からの若干の乖離が容易にマイナス金利をもたらすのは、日本でのゼロ金利、量的緩和の結果であるといえる。

だんたい‐きょうやく 【団体協約】

個人と団体との間または団体相互間で結ばれる契約。労働協約など。

ろうどう‐きょうやく 【労働協約】

労働組合または労働者団体と、使用者またはその団体との間で、労働条件などについて締結する協定。労働基準法に基づいて労働者と使用者が結ぶ労使協定とは異なる

ろうし‐きょうてい 【労使協定】

労働者と使用者が結ぶ協定。労働基準法により、使用者は事業所ごとに労働者の過半数を代表する者と書面による協定を結ぶことが義務づけられている。労使協定の締結・労働基準監督署への届け出を行うことで、時間外・休日労働など、同法で禁止される事柄が許容される。使用者と労働組合が自由な形式で取り決めを行う労働協約とは異なる

ひ‐ぎょう【罷業】

1 業務・作業をやめること。2 《「同盟罷業」の略》ストライキ。

ひぎょう‐けん【罷業権】

ストライキ権のこと。

きょう‐おう【×饗応/供応】

[名](スル)《「響応(きょうおう)」から》
1 酒や食事などを出してもてなすこと。きょうよう。「―を受ける」
2 (饗応)相手の言動に逆らわずに迎合すること。へつらうこと。きょうよう。
「これは―の言なり」〈今昔・二四・二六〉

とう‐しゅう【踏襲/×蹈襲】

[名](スル)前人のやり方などをそのまま受け継ぐこと。「前社長の方針を―する」

シー‐ディー【CD】

《 certificate of deposit 》通常の定期預金とは違って譲渡することが可能で、預金者が金融市場で自由に売買できる定期預金。金融機関が発行し、短期金融市場で売買され、金利は市場金利を反映する。日本では昭和54年(1979)導入。譲渡性預金。譲渡性預金証書。譲渡可能定期預金証書。NCD。

モラル‐ハザード【moral hazard】

《道徳の欠如、倫理の欠如の意》金融機関や預金者が道徳的節度を失って行動すること。金融機関が過当競争から預金保険制度を過度に充実した結果、大口預金者が多くの利子をかせごうとして経営があやぶまれている銀行にも預金したり、また、高い利子を支払って資金集めをした金融機関がリスクの高い貸付先に高金利で融資し、経営悪化を招いたりするケースなど。

よう‐ご【擁護】

[名](スル)侵害・危害から、かばい守ること。「憲法を―する」「人権―」

ローマ‐クラブ

1968年、ローマで初会合を開いて発足した国際的民間組織。各国の知識人や財界人によって構成され、天然資源の枯渇化・環境汚染・人口増加などの諸問題を研究・提言。研究報告書「成長の限界」「国際秩序の再編成」などを発表している。

スマート‐グリッド【smart grid】

情報通信技術を活用することによって、電力の需要と供給を常時最適化する、次世代の電力網。水力・火力など既存の発電施設と風力・太陽光発電など新エネルギーによる分散型電源を制御し、効率・品質・信頼性の高い電力供給システムの構築を目指す。地球温暖化対策の一つとして各国で取り組みが進められている。

ヒエラルヒー【(ドイツ)Hierarchie】

上下関係によって、階層的に秩序づけられたピラミッド型の組織の体系。狭義では、カトリック教会の教皇を頂点とする聖職者の位階制。広義では、中世の封建社会の身分秩序をさすが、現代では指揮・命令系統によって整序された軍隊や官僚機構についていう。位階制。身分階層制。ヒエラルキー。

マートン 【Robert King Merton】

(1910- ) アメリカの社会学者。小規模な作業仮説と巨大な図式をつなぐ「中間射程の理論」を提唱。著「社会理論と社会構造」「科学の社会学」

アソシエーション【association】

  1.  共通の目的や関心をもつ人々が、自発的に作る集団や組織。学校・教会・会社・組合など。しばしばコミュニティーに対置される。
  2. 心理学で、連合。連想。

ゲゼルシャフト【(ドイツ)Gesellschaft】

ドイツの社会学者、テンニエスが設定した社会類型の一。人間がある特定の目的や利害を達成するため作為的に形成した集団。都市や国家、会社や組合など。利益社会。⇔ゲマインシャフト。

ゲマインシャフト【(ドイツ)Gemeinschaft】

ドイツの社会学者、テンニエスが設定した社会類型の一。人間が地縁・血縁・精神的連帯などによって自然発生的に形成した集団。家族や村落など。共同社会。⇔ゲゼルシャフト。

だいいちじしゅうだん[―しふだん] 6 【第一次集団】

日常的に直接接触し、相互に一体感と連帯感を共有している集団。家族・近隣集団・遊戯集団など。アメリカの社会学者クーリーが創出した集団の概念。→第二次集団

だいにじしゅうだん[―しふだん] 5 【第二次集団】

特定の利害や目的のため、人為的・意図的に組織された集団。学校・組合・企業・政党・国家など。構成員の間接的な接触、機能的な視点からの構成などを特色とする。
→第一次集団

きのうしゅうだん[―しふ―] 4 【機能集団】

政党・会社・文化団体などのように、なんらかの意図された目標のために合目的的に組織された集団。

ポピュリズム【populism】

  1.  19世紀末に米国に起こった農民を中心とする社会改革運動。人民党を結成し、政治の民主化や景気対策を要求した。
  2. 一般に、労働者・貧農・都市中間層などの人民諸階級に対する所得再分配、政治的権利の拡大を唱える主義。
  3. 大衆に迎合しようとする態度。大衆迎合主義。

経済学者シュンペーター

  • 一般均衡
    シュンペーターはレオン・ワルラス流の一般均衡理論を重視した。古典派が均衡理論をもって現実経済を診断するのと異なり、シュンペーターは均衡をあくまで理論上の基準点として捉える。均衡状態はイノベーションによって不断にシフトしており、イノベーションが加わらないと市場経済は均衡状態に陥ってゆく。均衡では企業者利潤は消滅し利子もまたゼロになるという。市場均衡を最適配分とみる古典派の見解と異なり、シュンペーターにとって均衡は沈滞である。だから企業者は、つねに創造的な破壊をし続けなければ生き残れない。
  • イノベーション
    シュンペーターの理論の中心概念である。初期では新結合と呼んでいた。経済活動において旧方式から飛躍して新方式を導入することである。日本語では技術革新と訳されることがあるが、イノベーションは技術の分野に留まらない。シュンペーターはイノベーションとして以下の5類型を提示した。
    ・新しい財貨の生産
    ・新しい生産方法の導入
    ・新しい販売先の開拓
    ・新しい仕入先の獲得
    ・新しい組織の実現(独占の形成やその打破)
    イノベーションの実行者を企業者と呼ぶ。一定のルーチンをこなすだけの経営管理者でなく、生産要素を全く新たな組み合わせで結合し、新たなビジネスを創造する者。近年は起業者と訳されることがある。
  • 信用創造
    資本主義経済ではイノベーションの実行は事前に通貨を必要とするが、起業者は既存のマネーを持たないから、これに対応する通貨は新たに創造されるのが本質と考えた。イノベーションを行う起業者が銀行から信用貸出を受け、それに伴い銀行システムで通貨が創造されるという信用創造の過程を重視した。貨幣や信用を実体経済を包むだけの名目上の存在とみなす古典派の貨幣ヴェール観と対照的である。
  • 「銀行家は単に購買力という商品の仲介商人なのではなく、またこれを第一義とするのではなく、なによりもこの商品の生産者である。・・彼は新結合の遂行を可能にし、いわば国民経済の名において新結合を遂行する全権能を与える」とシュンペーターは語っている。
  • 景気循環
    起業者が銀行組織の信用供与を受けてイノベーションを実行すると経済は撹乱されるが、その不均衡の拡大こそが好況の過程であると考えた。一方で、イノベーションがもたらした新しい状況において独占利潤を手にした先行企業に後続企業が追従して経済全体が対応し、信用収縮(銀行への返済)により徐々に均衡化していく過程を不況と考えた。

社会学者シュンペーター

  • 社会学的アプローチによる研究でも有名。主著『資本主義・社会主義・民主主義』は、経済が静止状態にある社会においては独創性あるエリートは官庁化した企業よりは未開拓の社会福祉や公共経済の分野に革新の機会を求めるに至る。持論のイノベーションの理論を軸にして、経済活動における新陳代謝創造的破壊という言葉で表し、また、資本主義は、成功ゆえに巨大企業を生み出し、それが官僚的になって活力を失い、社会主義へ移行していく、という有名な理論を提示した。マーガレット・サッチャーはイギリスが、つねにこのシュンペーターの理論のとおりにならないよう警戒しながら政権運営をしていたという。

クリーピング・インフレーション

クリーピング・インフレーションとは、物価水準が年率数%程度の割合で緩やかに上昇するインフレで、忍び寄るインフレーションや、マイルド・インフレーションともいいます。

きぎょう‐ぶっかしすう【企業物価指数】

日銀の統計総務省の物価統計である「消費者物価(指数)」より早く現れる物価の変動
企業間で取引される財(商品)の価格の変動を示す指数。国内企業物価指数・輸出物価指数・輸入物価指数で構成され、日本銀行が月次で公表している。企業向けサービス価格指数がサービスを対象とするのに対し、企業物価指数は工業製品・農林水産物・鉱産物・電力・都市ガス・水道などを対象とする。商品の需給動向を把握し、景気動向・金融政策の判断材料を提供する。時価で表示される名目額から価格変動要因を除去して実質額を算出するデフレーターや、企業間で商品価格を決定する際の参考指標としても利用される。CGIP(Corporate Goods Price Index)。

ドイモイ(刷新)

1986年のベトナム共産党第6回党大会で提起されたスローガンであり、主に経済(価格の自由化、国際分業型産業構造、生産性の向上)、社会思想面において新方向への転換を目指すものである。

市場メカニズムや対外開放政策が導入され、経済面では大きな成果をあげてきた。ただし、共産党一党支配体制は堅持されている。
切り離せないのは、「社会主義指向型発展」の理念である。ドイモイの思想分野の一部で、民富や強国・民主・文明社会を掲げて発展するという理念。これは中華人民共和国が目指す「2050年、文明社会主義国」の系譜を辿っているという見解もある。いずれにしても、社会主義国の官から民へ経済思考がシフトしている。

傾斜生産方式(けいしゃせいさんほうしき)

第二次大戦後、日本経済の立て直しのためにとられた重点主義的な生産政策。1946年12月24日の閣議決定により、政府は石炭・鉄鋼の基幹産業部門に、資材・資金・労働力を重点的に配分し、それを基軸にして、戦後日本における独占資本主義の再生産を軌道にのせようとした。この「石炭・鉄鋼超重点増産計画」の提唱者たる有沢広巳(ありさわひろみ)のことばによれば、「われわれの処置しうる唯一の基礎的素材たる石炭の生産に向かって、すべての経済政策を集中的に傾斜せしめよう」とするもので、一方で輸入重油と石炭を鉄鋼部門に重点的に投入、そこで生産された鋼材を石炭部門に集中的に投入し、他方、逆にそこで増産された石炭を鉄鋼部門に振り向け、いわば鉄と石炭の循環的拡大再生産を図ろうとした。当時の危機的な生活条件のなかで、炭鉱労働者には食料・衣料の加配、さらに復興金融金庫による重点融資によって、労働力・資金の集中投入も図られた。
1947年5月に成立した片山哲内閣は、新たに食糧生産と輸出部門をも重点産業とした。占領政策の転換もあって、この傾斜生産は48年ごろから実効を示し始め、とくに同年1月からの鉄鉱石と粘結炭との輸入は決定的意義をもった。なお臨時石炭鉱業管理法はこの傾斜生産方式の発展したものといわれる。

ふっこう‐きんゆうきんこ【復興金融金庫】

第二次世界大戦後の日本経済復興を目的として、一般金融機関で融資困難な長期の産業資金を供給するため、1946年(昭和21)の復興金融金庫法(昭和21年法律第34号)に基づいて1947年1月に設立された全額政府出資の政府金融機関。復金と略称される。傾斜生産方式に従って、石炭、鉄鋼、電力、化学肥料など基幹産業に集中的に巨額の融資を行い、生産力の回復に大きく寄与した。しかし他方において、その資金の調達を金融債(復興金融金庫債)の発行およびその日本銀行引受け(約64%)でまかなったために、日銀券の増発を引き起こし、インフレーションを招いた。これが復金インフレとよばれるものである。当時は民間金融機関が再建されていないこともあり、復金が資本蓄積の中心にたつこととなり、このため、石炭の設備資金で全体の98%、鉄鋼の設備資金で73%、化学肥料の設備資金で64%、電力の設備資金で93%を復金だけで引き受けることとなった。反面、日銀保有の復金残高は日銀券発行高の33%を占めるに至り、通貨膨張の一大要因となったのである。1949年のドッジ・ラインにより新規貸出を停止し、1952年1月に債権・債務を日本開発銀行(現、日本政策投資銀行)に引き継いで解散した。

経済安定九原則

昭和23年(1948)12月19日、米国政府がGHQを通じて日本政府(当時の首相吉田茂宛)に指令した経済政策。予算の均衡徴税強化資金貸出制限賃金安定物価統制貿易改善物資割当改善増産食糧集荷改善の9項目からなる。 目的は、インフレーションを抑制し、日本経済を短期的に自立化することであった。「竹馬経済」からの脱却。
内容
「昭和二十三年十二月付  (前文省略)   今回の経済復興計画がとくにめざすところは、

  1. 極力経費の節減をはかり、また必要であり、かつ適当なりと考えられる手段を最大限度に講じてただちに総予算の均衡をはかること。
  2. 徴税計画を促進強化し、脱税者に対する刑事訴追を迅速広範にまた強力に行うこと。
  3. 信用の拡張は日本の経済復興に寄与するための計画に対するほかは厳重に 制限されていることを保障すること。
  4. 賃金安定実現のため効果的な計画を立てること
  5. 現在の物価統制を強化し必要な場合はその範囲を拡張すること。
  6. 外国貿易統制事務を改善し、また現在の外国為替統制を強化し、これらの機能を日本側期間に引継いで差支えなきにいたるように意を用いること。
  7. とくに出来るだけ輸出を増加する見地より現在の資財割当配給制度を一そう効果的に行うこと。
  8. 一切の重要国産原料、および製品の増産をはかること
  9. 食糧集荷計画を一そう効果的に行うこと。
    以上の計画は単一為替レートの設定に実現させる途を開くためにぜひとも実施されねばならぬものである」

ワグナー法【ワグナーほう】

  • 正称は1935年全国労働関係法。1935年ニューディール政策の一環として米国で制定された労働関係を規律する法律。提案者のワグナーR.F.Wagnerにちなむ。労働組合の団結権・団体交渉権・団体行動権等の労働者の基本的権利を確立し,使用者によるスパイの使用,ブラックリストの作成,御用組合の結成等による労働組合の抑圧を不当労働行為として禁止し,全国労働関係委員会を設けて不当労働行為の審査と救済にあたらせた。

はんれいほう‐しゅぎ  【判例法主義】(イギリス・アメリカ : 英米法主義)

判例を最も重要な法源とする考え方。裁判官は紛争の解決に際して過去の同種の裁判の先例に拘束される。英米法の基本的な概念の一つ。→制定法主義 →コモンロー →判例法

せいていほう‐しゅぎ 【制定法主義】

立法府が文書の形で制定した成文法を最も重要な法源とする考え方。裁判官は紛争の解決に際して法律にのみ拘束されるが、条文の解釈・運用を補完するものとして判例も重視される。大陸法の基本的な特徴の一つ。成文法主義。→判例法主義

労働協約と労使協定の違い

  • 労使協定:
    労働基準法を基にし、労働組合がない場合「事業場の労働者の労働者の過半数を代表する者」との間で締結できる
  • 労働協約:
    労働組合法を基にし労働組合がない場合には締結できない
  • 優先順位
    「労働法令」>「労働協約」>「就業規則」>「労働契約」

譲渡担保権

債権者が債権の担保として何らかのモノや権利を譲り受けた際の担保権のこと。債権者が債権を回収できない状態(債務不履行状態)になった場合、譲渡担保された財産を処分して債権の回収を図ることができる。
質権と似ているが、質権を設定すると担保対象物を債権者に渡さなければならず、継続的に使用できないのに対し、譲渡担保であれば担保物をそのまま使用できる。
不動産であれば、抵当権を使えるが、動産(不動産以外の有形担保物)の場合は抵当権を使用できないため、譲渡担保の手法が用いられる。

サービス残業/ふろしき残業

昨今の不況下、経費削減の一環として会社は残業カットを進めている。
中には社内の電気を定時に止めてしまう会社もあるという。しかし、仕事時間が短くなったからと言って仕事の量が減るわけではない。
そこで、社員は仕方なく残業手当を請求せずに残業したり、仕事を家に持ち帰ったりする。
前者サービス残業後者ふろしき残業と呼ぶ。

ブイ‐ディー‐ティー【VDT】《 visual display terminal , video display terminal 》

コンピューターやワープロにつながれた画面表示をする端末装置。

職業安定法と労働者派遣法との関係

職業安定法施行規則第4条によれば、労働者を提供しこれを他人の指揮命令を受けて労働に従事させる者(労働者派遣法に基づく者は除く)は、たとえその契約の形式が請負契約であっても

  1. 作業の完成について事業主としての財政上及び法律上のすべての責任を負う
  2. 作業に従事する労働者を、指揮監督する
  3. 作業に従事する労働者に対し、使用者として法律に規定されたすべての義務を負う
  4. 自ら提供する機械、設備、器材(業務上必要なる簡易な工具を除く。)若しくはその作業に必要な材料、資材を使用し又は企画若しくは専門的な技術若しくは専門的な経験を必要とする作業を行うものであって、単に肉体的な労働力を提供するものでない

を全て充足しないものは労働者供給事業を行う者、すなわち派遣を行っている者とみなされる。

きょう‐ゆう〔キヤウイウ〕【享有】[名](スル)

権利・能力などを、人が生まれながら身につけて持っていること。
「基本的人権の―」「人間は自由と責任とを―している」

き‐と【企図】[名](スル)

あることをくわだてること。また、その内容。もくろみ。「再建を―する」

弁済の提供の方法

弁済の提供の方法には現実の提供と口頭の提供(言語上の提供)がある。

  1. 現実の提供
    債務の本旨に従って現実に行う弁済の提供の方法を現実の提供といい、原則的な弁済の提供の方法である(493条本文)。何が現実の提供にあたるのかは債務の性質により決定される。
  2. 口頭の提供(言語上の提供)
    弁済の準備をしたことを通知してその受領を催告する弁済の提供の方法を口頭の提供(言語上の提供)といい、債権者があらかじめ受領を拒んだ場合、あるいは債務の履行について債権者の行為を要する場合に認められる弁済の提供の方法である(493条但書)。

そしり【×謗り/×譏り/×誹り】

そしること。また、その言葉。「いわれのない―を受ける」

そし・る【×謗る/×譏る/×誹る】[動ラ五(四)]

他人を悪く言う。非難する。「陰で人を―・る」

なかん‐ずく〔‐づく〕【▽就▽中】[副]《「就中」を訓読みにした「なかにつく」の音変化》

その中でも。とりわけ。「すべての学科にいえるが、―語学は重要だ」

にゅう‐しょく【入植】[名](スル)

開拓地や植民地などにはいって生活すること。「原野に―する」

コンシューマー【consumer】[名]

「消費者」に同じ。
con・sum・er[ knsmr | -sjm- ]

  1. 消費者(⇔producer);消費するもの
    consumer credit 消費者信用[金融]
    consumer durables ((英))耐久消費財
    consumer protection 消費者保護
    a consumer society 消費社会
    consumer research 消費者[市場]調査
  2. 生態消費者

メセナ【(フランス)mcnat】

文化・芸術活動に対する企業の支援。企業名や商品名を冠する音楽会・演劇公演・美術展などを催して直接に援助する場合と、財団法人や社団法人を設立して援助する場合とがある。

エクイティ(〔英〕equity:衡平法(こうへいほう))

英米法の国々において、コモン・ロー (common law)で解決されない分野に適用される法準則である。
英米法において、
コモン・ローとエクイティとの間には、主に次のような違いがある。

  • コモン・ローは、イングランドのコモン・ロー裁判所が下した判決が集積してできた判例法体系
    エクイティは、コモン・ローの硬直化に対応するため大法官 (Lord Chancellor) が与えた個別的な救済が、雑多な法準則の集合体として集積したもの
  • コモン・ローは契約法、不法行為法、不動産法(物権法)、刑事法の分野を中心に発展
    エクイティは信託法などの法分野を形成してきた
  • コモン・ローは民事事件の救済として金銭賠償を主とする
    エクイティでは差止命令 (injunction)、特定履行 (specific performance) などの救済が認められてきた
  • コモン・ローの訴訟では陪審審理が用いられる
    エクイティの訴訟では伝統的に陪審審理が用いられない。
  • 伝統的には、コモン・ローの訴訟とエクイティの訴訟は別々の裁判所で取り扱われてきた。
  • コモン・ローは厳格な手続を採用してきた
    エクイティの訴訟では比較的柔軟な手続運営がされてきた

現在では、コモン・ローの訴訟とエクイティの訴訟では手続に余り違いはなくなっているが、今でも、英米法の中でコモン・ローとエクイティの違いは広く認識されており、特に陪審審理が保障されるか否かといった点で現実的な違いを生んでいる。

【ノンルフールマン原則】《 non-refoulement principle 》

難民を、迫害が予想される地域に追いやってはならないという国際法上の原則。

イデオロギー【(ドイツ)Ideologie】

  1. 政治・道徳・宗教・哲学・芸術などにおける、歴史的、社会的立場に制約された考え方。観念形態。
  2. 一般に、思想傾向。特に、政治・社会思想




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