【能う】

あた・う〔あたふ〕【▽能う】
[動ワ五(ハ四)]

《もと必ず打消しを伴い、活用語の連体形に「こと」や助詞「に」を付けて「…にあたわず」「…ことあたわず」の形で多く用いられたが、明治以後は肯定の言い方もみられる》

  1. 可能の意を表す。なしうる。できる。

    「行くこと―・わず」
    「味については議論するに―・わず」
    「危きに臨めば平常なし―・わざる所のものを為し―・う」〈漱石・吾輩は猫である〉

  2. 理にかなう。納得がいく。

    「―・はぬことなり。はや出だし奉れ」〈竹取〉

  3. 適する。相当する。

    「此れ汝が着る物に―・はず」〈今昔・二三・一八〉

◆1の肯定の言い方は、欧米語の可能の助動詞の翻訳として広まった。

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