地平04.08.27|高速債務不存在確認請求

実質的当事者訴訟

判示事項

  1. 首都高速道路の通行者は,首都高速道路公団のした料金の改定が道路整備特別措置法11条1項の基準に適合するか否かを債務不存在確認訴訟によって争うことができるとした事例
  2. 道路整備特別措置法11条1項に定める償還主義適合性の裁判所による審査方法
  3. 首都高速道路の通行者の首都高速道路公団に対する同公団の改定に係る料金と改定前の料金との差額を支払う債務の不存在確認請求が,棄却された事例
  4. 道路整備特別措置法14条の2に定める割増金債権の発生原因

裁判要旨

  1. 首都高速道路を通行したことによる料金債権は,通行という事実により法律上当然発生する公法上の債権であって,その金の額について行政処分が介在するわけではないと解されるところ,道路整備特別措置法11条1項は行政指針ではなく効力要件であるから,高速道路の通行者は,債務不存在確認訴訟によって料金改定の同条項適合性争うことができるとした事例
  2. 道路整備特別措置法及びその委任を受けた同法施行令(昭和31年政令第319号)は,料金額の決定についての具体的な算定を,首都高速道路公団が専門技術的な見地から行使する裁量にゆだねることとしたものと解されるから,裁判所が,同公団のした料金の設定の法適合性を審査するについては,その裁量権の行使が,全く事実の基礎を欠くとか,行使方法に逸脱ないし濫用があるとかの事由があって,違法と評価されるという場合でない限り,これを尊重すべきである。
  3. 首都高速道路の通行者の首都高速道路公団に対する同公団の改定に係る料金と改定前の料金との差額を支払う債務の不存在確認請求が,同公団のした料金改定は,道路整備特別措置法11条1項に定める償還主義及び公正妥当主義に適合しており違法はないとして,棄却された事例
  4. 道路整備特別措置法14条の2に定める割増金債権は,通行の事実のほか,料金を不法に免れたという事実が加わることにより法律上当然に発生する公法上の債権である。
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