条例上の義務と民事手続き

概要

宝塚市パチンコ条例事件(最判平14.7.9)

争点と経緯

《詳細》

地方公共団体が、条例に基づく行政上の義務の履行を求めて民事訴訟を提起することは認められるか?

  1. 条例でパチンコ店の出店を市長の同意を義務付けることによって規制している。
  2. 建築予定地が商業地域でなく準工業地域であることを理由に同意を拒否した。
  3. 市の建築審議会に対する審査請求により建築確認の採決を得て建築に着手した。
  4. 市長の中止命令を無視し工事を続けたので工事続行禁止を求め民事訴訟を提起した。

《詳細を隠す》

又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、法規の適用の適正ないし(1)を目的とするものであって、自己の権利利益の保護救済目的とするものということはできないから(2)として当然に裁判所の審判の対象となるものではなく、(3)がある場合に限り提起することが許されるものと解される。

《詳細》

  1. 一般公益の保護
  2. 法律上の争訟
  3. 法律に特別の規定

つまり、法律上の争訟にあたらず、またこれを認める特別の規定も行政事件訴訟法その他の法律に存在しない以上、不適法であり認められない。

《詳細を隠す》

法律上の争訟

裁判所法や憲法は、司法権の作用の対象「法律上の争訟」としており、( )を意味するものと考えられている。

《詳細》

事実に法律を適用することによって解決できる争い

《詳細を隠す》

逆に言えば、( )によって解決できない争いは、訴訟になじまないということになる。

《詳細》

法規の適用

《詳細を隠す》

当事者間の(1)権利義務ないし法律関係の存否に関する争訟であって、かつ、それが(2)により(3)に解決することができるものに限られる。

《詳細》

  1. 具体的
  2. 法令の適用
  3. 終局的

《詳細を隠す》

裁判所法

第3条(裁判所の権限)
  1. 裁判所は、日本国憲法 に特別の定のある場合を除いて一切の( )を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する。

    《詳細》

    法律上の争訟

    《詳細を隠す》

  2. 前項の規定は、行政機関が前審として審判することを妨げない。
  3. この法律の規定は、刑事について、別に法律で陪審の制度を設けることを妨げない。

行政代執行法

第1条(本法の適用範囲)

行政上の( )に関しては、別に法律で定めるものを除いては、この法律の定めるところによる。

《詳細》

義務の履行確保

《詳細を隠す》

第2条(代執行の要件)

法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。以下同じ。)により直接に命ぜられ、又は法律に基き行政庁により命ぜられた行為(他人が代つてなすことのできる行為に限る。)について義務者がこれを履行しない場合、他の手段によつてその(1)することが困難であり、且つその(2)を放置すること著しく公益に反すると認められるときは、当該行政庁は、(3)をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することができる。

《詳細》

  1. 履行を確保
  2. 不履行
  3. 自ら義務者のなすべき行為

《詳細を隠す》




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